【書評】今月読んだ本5冊レビュー
久しぶりにレビューでも書く

レビューの前に点数の整理
評価基準は構築 なんとなくこの点数を本の面白さに置き換えて欲しい
5点 一部のフォーマット、または多岐にわたるフォーマットで強力な力を持ち、あるいはその環境を支配する力を持つもの 
例《精神を刻む者、ジェイス》《死儀礼のシャーマン》《原始のタイタン》

4点 強力な力を持つが、弱点もあり環境を支配するところまではあと一歩のもの 
例《遍歴の騎士、エルズペス》《ワームとぐろエンジン》《スフィンクスの啓示》

3点 デッキの主力となりうるパワーを持つカード だいたい3~4枚必須だがデッキ構成上入らない場合もある 
例《チャンドラのフェニックス》《クルフィックスの狩猟者》《ドムリ・ラーデ》

2点 じゅうぶん強力で、悪くはないが、調整次第で抜け落ちていく可能性のあるもの・ややサイドボード向きなもの 
例《悲哀まみれ》《化膿》《否認》

1点 デッキに入れるには少し厳しいが、専用デッキを組めば可能性のあるもの・完全にサイドボード用のもの 
例《ニヴメイガスの精霊》《栄光の目覚めの天使》《彷徨える魂の勇者》

0点 構築に耐えうる性能ではないもの 完全にリミテッド用
例《オレスコスの速爪》《硬化》



◆理由あって冬に出る (創元推理文庫) - 似鳥 鶏 (著)
3点-いわゆる学園ライトノベル系ミステリ。某ライトノベルレーベルの同系統のミステリと比べると、ストーリー展開やトリック等はしっかりしていて、またライトノベル風であるが故に読みやすい。一方で、ミステリ要素はそこまで面白いものではない。本書が著者のデビュー作であることと今後の期待を込めて3点。


◆どんどん橋、落ちた (講談社文庫)  - 綾辻 行人 (著)
3点-我らが綾辻大先生の短編集。叙述トリックをやります、という前提で、かなり人を喰ったトリックだらけだった。話自体はそこまででもないが、叙述トリックのお手本というか、色々参考になる話ばかりだったので3点。ただ正直館シリーズほど好きではない。


◆葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)  - 歌野 晶午 (著)
3点-叙述トリックの名著『イニシエーション・ラブ』と同レベルの叙述ミステリという評判をきき、ワクワクして読むも、そこまでの衝撃はなかった。肝心の『驚天動地の結末』を除けば、いったい何の話を読んでいるのだという妙な感覚にとらわれ続けていた。上級の叙述トリックが仕込まれていることを知らなければ読み続けるのが厳しい。
騙された感は多少あったにはあったけど……


◆リライト (ハヤカワ文庫JA)  - 法条 遥 (著), usi (イラスト)
4点-本筋は、タイムパラドックスが起きた原因を読み進めながら探っていく感じだけど、終盤にかけての世界の狂い方がすごい。単なるSFではなくて、作者の得意なホラー的要素も盛り込まれていて、読了後結構あとに引いた。


◆模倣の殺意 (創元推理文庫) - 中町 信 (著)
3点-数十年前に、今読んでも遜色ないこんなミステリがあったとは、といった本。どうやら日本初の叙述トリックのミステリらしい。しかし、騙された感が薄く、現代にこれを読んでしまうと物足りなさが大きい。発表当時に読んでいたら5点つけていたかもなあ……(マジックでいう、ウルザの激怒が現代に再録されたけどたいして活躍もせずスタンを去っていった…みたいな感じだと思う)
宣伝文句に引きこまれたので、全然知らない作品だけど買ってみた
ちなみにこれは漫画

原作小説のアニメ化までしてるのね
最初は単なる萌え漫画かと思ってたが……面白い!

なんだろう、ライトノベルの多様なジャンルが一作品に全て集まっている感じ
世界観やキャラクターだけでなく世界の謎とかサスペンス要素、ストーリー展開などどこをとっても良質だった
アニメ見るのはめんどくさいが、とりあえず原作小説は読んでみよう


最後に1つ
早季と真理亜の濃厚なレズシーンは原作由来ですか!?
先日、地元に帰省していた際に映画を観に行くと、すでに公開が終わったはずの桐島が凱旋興行特別記念とかで安く上映されていたので観て来ました。小説を読んだ上で、映像化されることで面白く仕上がってることを期待して鑑賞。
小説の時のレビューは→(http://shimonkinonly.diarynote.jp/201301190800108066/


以下、ネタバレを含みます。


ほぼ全編高知ロケというのは非常に嬉しかったし良かったです。作中に登場したゲーセンの上の階で映画を見ていて、観終わった後はそのゲーセンの前のベンチで休憩しました。
クラスの中のヒエラルキーってのは、実際に存在する話で、実体験でもリア充グループやスポーツマンがクラスの上位に位置していました。僕は一応運動部でしたがクラスでは中の下ぐらいのポジションだったような気がします。
桐島が部活を辞めたことで、帰宅部リア充グループとバレーボール部に大きく影響を与え、最終的には映画部の前田(神木くん)にまで影響を与えた流れはよく出来ていたし、最後の屋上のシーンは原作にないところで良かったと思います。
最後の屋上で前田が「こいつらみんな食い殺せ!」って言ったのも、宏樹(東出くん)が前田に話しかけたのも、そして最後に複雑な表情をして屋上を降り、桐島にコールする宏樹も、すべて桐島が部活をやめたところから始まり、原作者の主題をうまく反映したいい場面でした。

宏樹が、高校生特有の歪んだヒエラルキー社会に対して、その歪みを悟ったのと同時に、何も打ち込めず幽霊部員になってしまっている自分が辛く感じるというのは、数年前まで高校生だった時のことを思い返すようで非常に衝撃を受けました。
原作を読んだ時点では、その核は描かれていたものの、やや弱く感じ、あまりピンとこなかったです。そういう意味では映画化して良い作品になったと思います。

というわけで、個人的には非常に満足した作品でした。映画大賞を数多く受賞し、今年度の大ヒット映画となったのですが、実際にはこのエンディングの主題がピンと来るかどうかで評価が大きく分かれるようです。
一筋縄では人におすすめ出来ませんが、興味があれば観てみてほしいと思います。
さて、月曜からひいてしまった風邪はなんと日曜までこじらせる結末に
結局土曜も日曜もプレリに行くことは出来なかった
どうやらボロスが強すぎたらしいが……ディミーアとか不人気ギルドなら売れ残ってそうだから、どっかカードショップ巡ればキット買えるかなと また仮想プレリをやるか

さて、読み終わった小説のレビュー、一日一冊のつもりだったがだいぶ遅れてしまった
今日は3冊まとめて

キノの旅Ⅱ―The beautiful world — 時雨沢 恵一 電撃文庫
砂と岩の砂漠の真ん中で、キノは空を見上げていた。晴れている。頭を下げて、石造りの口を開ける井戸を見た。涸れている。「だから言ったとおりだよ。最初からこれじゃあ旅なんて無理だよ。キノ。旅人に一番必要なのは、決断力だよ。それは新人でも、熟練の旅人でも同じ。違う?」「いいや、エルメス。それはきっと運だよ。旅人に一番必要なのは、最後まであがいた後に自分を助けてくれるもの。運さ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。
さて、やはりこの巻で面白かったのは魔法使いの国。昔の人なら、本当にこの国民のように思ってしまうかもしれない。自分も飛行機が飛ぶ理屈はよく分からないし。そして優しい国は良かった。これはちょっとグッと来るオチだった。なんか全体的にインパクトのある国が減ってきたような気がするが、まだクオリティは保たれてる。



キノの旅Ⅲ―The beautiful world — 時雨沢 恵一 電撃文庫
真っ白だった。上も、下も、右も、左も、ただ白かった。「見事に何も見えないな」「見事に何も見えないね」「でも、すぐにまた、見えるようになる」「見えるようになるだろうね」「ねぇ。見えるようになって、目の前にきれいさっぱり何もなかったらどうする?ちょっと嬉しくない?」「ああ。でも、そんなことはありえないことを、ボクは知ってるからね」「晴れたら、どうするつもり?」「そうだな…、ここにいても仕方がないし、ボクにできることもない。出発するだろうな。それだけだ」人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第3弾。
この巻は城壁のない国がよかった。初めて「ヨーロッパ風の城塞都市」でない国が出てきたようなきがする。同じ顔の国は、ネタ自体は面白いのにいまひとつ活かしきれていない感じ。ちょっと残念。差別を許さない国はブラック枠。



キノの旅Ⅳ―The beautiful world — 時雨沢 恵一 電撃文庫
歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。……紅い草原に、再び歌声が聞こえた。そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。「これからどうするの?」別の声は、「いつかと同じさ。どこかへ行こう」すかさず答えた。「そうだね。そうしよう」最初の声が、嬉しそうに同意した。そして言う。「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」 人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。短編連作の形で綴られる、大人気新感覚ノベル第4弾!!
今回は、二人の国、分かれている国など、ブラック系が多い回だった気がする。そろそろパターンがわかってきた。「実は○○でした」国か、「なんらかの事情があって国民がほぼいません(0人も)」国か、「ブラック」国の3パターンが大きなカテゴリかなというふうに思う。最初の実は○○国は、住むには一番穏やかにしていられるけど、知らないところで結構えぐいことやっちゃってる系。
【レビュー】キノの旅―The beautiful world
キノの旅―The beautiful world — 時雨沢 恵一 電撃文庫
「キノはどうして旅を続けるの?」―中略―短編連作の形で綴られる人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の話。今までにない新感覚ノベルが登場!
まだライトノベルが腐ってなかった頃の名作。以前少しだけ読んだことあったけどこの機会にちゃんと読み切った。
さすがに面白い。一話ごとの出来が非常に高く、人間の愚かさがさまざまな形で描かれている。登場人物の言動が非常に極端で、ほとんど、どこの国の国民も歪んだ考え方をしている。主人公達が唯一まともな存在で、その国民にツッコミを入れていくような立場というスタイル。星新一が好きな人ならすぐに受け入れられそう。どこまでこのクオリティが保たれるか期待。
追記:一番面白かったのは大人の国。

結論:売る


別件ですが、画像のファットパックストレージがいらないので処分しようと思うのですが、どなたか欲しい方いましたらただでお譲りします。
予定ではPWCのゲートクラッシュプレリに参加するので、そこでお会いできる方がいれば!
卍の殺人 — 今邑彩 中公文庫
萩原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていた。匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのだが、次々に怪死事件が起こり……
謎にみちた邸がおこす惨劇は、思いがけない展開をみせる!著者デビュー作。
卍の形をしている館というのは、非常に不便で奇妙な形をしているけど、ちゃんとした理由づけがあるし後半の核心に迫る点にも関係してくる。
推理自体は、個人的にはいま一つ。トリックは面白かったのだが……どうも、ミステリーというより火曜サスペンスを見ているようだった。あれはあんまり好きじゃない。しかしデビュー作で結構前に書かれた作品であることを考慮するとこんなもんなのかなあ。

著者の別の作品のほうが面白いのあったかも。余談ですが、卍はハーケンクロイツとは逆のようですね。意味も逆らしい。

結論:売る
追記:売るからといってつまらなかったわけではないです ただ売るしきい値を結構高く設定しとかないと蔵書が減らない
引っ越すまでもうそんなに時間がないので、ちょっとでも荷物を減らすよう、持っている未読の小説を消化して、売れるものは売っていこうと思います。

先立って読み終わった小説のレビュー

桐島、部活やめるってよ — 朝井リョウ 集英社文庫
田舎の県立高校。バレー部の頼れるキャプテン・桐島が、理由も告げずに突然部活をやめた。そこから、周囲の高校生たちの学校生活に小さな波紋が広がっていく。バレー部の補欠・風助、ブラスバンド部・亜矢、映画部・涼也、ソフト部・実果、野球部ユーレイ部員・宏樹。部活も校内での立場も全く違う5人それぞれに起こった変化とは…?瑞々しい筆致で描かれる、17歳のリアルな青春群像。第22回小説すばる新人賞受賞作。
作者は若いだけあって、高校生の心理描写を非常にリアルに描かれていた。別にそれ自体は新しいわけではないが、作中の中心(ここでいう桐島)を登場させることなく、その周りの人物像を通して描くというスタイルは、とてもよく成立していたと思う。残念な点は、実在する固有名詞(例えば、チャットモンチーなど)が多数登場し、それらを知っていないと登場人物の言動、心理がわかりづらいという点、またオチが少し弱い気がする所。

実は、この映画をずっと前から見たかったのだが、残念ながら観に行く前に公開終了になってしまった為、仕方なく小説を買ってきた次第。小説としてはぶっちゃけそこまで面白くなかったが、映画としてどのように描かれているのかは気になる。レンタルか買うかして映画は観てみたい。

結論:売る

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